Web2.0と音楽の研究

自分が音楽ツールの開発を始めてから既に3年がたちました。
MTR、新感覚作曲ソフト、リズムマシーンなど色々なソフトウェアを作ってきましたが、梅田望夫氏の「ウェブ進化論」を読んだあたりから、これからは音楽製作もウェブベースで実現できたほうが面白いのではないかと思うようになり、今年の春あたりから本格的にウェブベースの音楽製作ツールの開発・研究を開始しました。

いざ、音楽ソフトウェアをウェブベースで作ろうと思ったのはよいのですが、実際に設計・実装を始めるとやたら問題が多かったり、調べても必要な情報があまり見つからなかったりしたので、ここでは自分が直面した問題や研究の過程でみつけたWeb2.0、コンピュータミュージックに関する興味深い情報を紹介したり、Web2.0・音楽について考えてみたり、その他諸々を書いていこうと思います。

コンピュータを用いた音楽製作といえば、DTM(DeskTop Music)という言葉があるように個々のパソコンにソフトウェアをインストールしたり機材を接続して作業を行うのが一般的です。Kreuz45.comで公開してきたSP-DiaやeasyMTR、SP-Rhythmなどのソフトウェアもすべて個々のパソコン上にインストールして音楽製作を楽しむソフトウェアです。

僕自身も音楽製作をするときは、自作のこれらのソフト以外にも市販のソフトウェア・機材を使ってパソコン上で作業をしています。すばらしいソフトウェア・機材が安価あるいは無料で手に入る時代ですし、パソコン一台で楽しめる音楽製作の幅は非常に広いのではないかと思います。実際、プロのようなクオリティの作品を自宅のパソコン一台で作られてしまう方もたくさんいます。

僕が今開発・研究を進めているウェブベースの音楽製作スタイルはこれらの従来のコンピュータを用いた音楽製作スタイルを否定するものではありません。しかし、ウェブベースで音楽製作をするという新しいスタイルによって、従来の音楽製作のスタイルでは思いつかなかったような新しい音楽の形が見えてくるのではないか、と考えています。

では、具体的なウェブベースの音楽製作スタイルとはどういうものなのか、今考えている内容をこれからご紹介したいと思います。